インターネットの普及により、ペーパーレスの取り組みが広まりました。
ネットバンクを中心に、デジタル通帳が広く利用されるように。
しかし、一方で紙の通帳も根強い人気があります。
このブログでは、紙通帳とデジタル通帳のメリット・デメリットを比較しながら、それぞれの通帳の特徴や利用シーンについて解説していきます。
紙通帳の有料化の動きにも触れ、今後の通帳利用のあり方について考えていきましょう。
この記事でわかること
・紙の通帳は今後も必要なのか
・紙とデジタル通帳のメリット・デメリット
・今後の通帳のあり方
目次
1.紙の通帳に残された魅力
紙の通帳には、デジタル通帳にはない魅力がまだまだ残されています。紙の通帳の魅力をいくつかご紹介します。
1. 安心感
- 紙の通帳は手元で置いておけるため、過去の内容を見返したりすぐに開いて確認できる安心感があります。
- スマートフォンやインターネットが使えない環境や、デジタル機器が苦手なお年寄りでも情報が確認できます。
2. 自由な記入
- 紙の通帳には余白があり、お金の出し入れや振込時に忘れたくないメモを書き込むことができます。
→以前、我が子のために「1日100円」を貯金していたお母さんのメッセージが話題になりました。
「息子に1日100円貯金続けた母、20歳を迎えた日の投稿に10万いいね」(参照:mamari)
- 過去の記録を継続的に保持するため、古い通帳をアルバムのように保存することも可能です。
→過去の苦労、成功体験などいろんな人生の振り返りができます。
3. 盗難や不正のリスク軽減
- 紙の通帳の情報は手に取らなければ閲覧できないため、不正アクセスなどにより内容を知られるリスクが少ないです。
- 預貯金や収入、支出に関する重要なデータを守るため保管場所に注意する必要があります。
4. 銀行の手数料節約
- デジタル通帳への移行には手数料がかかる場合があり、紙の通帳を利用することで手数料節約に繋がる可能性があります。
紙の通帳にはこれらの魅力がありますが、デジタル通帳と比較するとやはり一長一短があります。ここからは、デジタル通帳が広まる背景と利点についてご紹介します。
2.デジタル通帳が広まる背景と利点
デジタル通帳の普及には、いくつかの背景があります。
デジタル化の進展による情報技術の発展やネットバンキングの普及、ユーザーの利便性の要求の高まりなどが挙げられます。
デジタル通帳の利点は以下のとおりです。
- 簡易な手続きと便利な利用:デジタル通帳を利用するには、紙通帳よりも簡単ですが手続きが必要です。銀行窓口に行く必要もなく、インターネットバンキングを利用することで、いつでもどこでも通帳の利用が可能です。
- 通帳の紛失や物理的な盗難の心配がない:デジタル通帳は紙の通帳とは異なり、データが銀行のサーバーに保存されます。そのため、通帳の紛失の心配がありません。IDやパスワードを他人に知られなければ、不正アクセスされる可能性も低いため盗難のリスクが減ります。
- 取引明細の確認が容易:デジタル通帳ではスマホやパソコンで、いつでも残高や取引明細を簡単に確認することができます。銀行の窓口やATMに行く必要もなく、時間と手間を省くことができます。
- 長期間の照会が容易:デジタル通帳では、過去の取引履歴を簡単に照会することができます。指定した期間のデータをダウンロードし、プリントアウトすることもできる場合もあります。
- インターネットバンキングの利点を活かす:デジタル通帳はインターネットバンキングを利用します。振込手続きや税金・公共料金の支払いなどが手軽に行えます。インターネットバンキングは、忙しい現代人にとって大きなメリットとなるでしょう。
デジタル通帳の利点は多岐に渡りますが、必ずしも全ての人にとって適しているわけではありません。
それぞれのライフスタイルや価値観に合わせて判断し、最適な選択をすることが重要です。
3.紙通帳とデジタル通帳の比較
紙通帳とデジタル通帳は、それぞれ異なる特徴を持っています。
改めて、メリット・デメリットをいくつか挙げてみましょう。
紙通帳のメリット
- いつでも内容を見られる。
- インターネットが不要なので、難しい使用方法を習得する必要がない。
- 通帳に直接書き込みができる。
- 過去の記録として残すことができる。
紙通帳のデメリット
- 重要な情報を知られるリスクがある。
- 利用時間や回数などの条件により、手数料がかかる場合がある。
紙通帳に対して、デジタル通帳には次のような特徴があります。
デジタル通帳のメリット
- 通帳の紛失や盗難の心配が少なくなる。
- いつでもどこでも取引履歴や残高を確認することができる。
- 銀行窓口やATMに行く手間を省ける。
- 長期間の照会が、設定するだけで手軽に行える。
デジタル通帳のデメリット
- スマートフォンやパソコンを使用し、通信環境がなければ利用できない。
- 利用登録を含め、インターネットの利用方法を習得する必要がある。
紙通帳とデジタル通帳は、それぞれ利点と欠点を持っています。
使いやすさと安全性を考慮して、自分に合った通帳を選ぶことが重要です。
銀行によってはすでに紙通帳の廃止を検討している場合もあるため、将来を見据えて通帳の選択をすることも検討してください。
4.ITリテラシーや生活環境に応じて使い分ける
デジタル通帳と紙通帳のどちらを選ぶべきかは、個人のITリテラシーと生活環境によって異なります。以下では、それぞれの利点と注意点を示します。
ITリテラシーの高い人にとっては、デジタル通帳の方が便利かもしれません。
日頃からスマホやパソコンを使ってインターネットバンキングやスマートフォンアプリの利用に慣れている方は、デジタル通帳を利用することでいつでもどこでも口座情報を確認できます。
一方でITリテラシーに自信がない人やスマホやパソコンを使わない生活を送っている人にとっては、紙通帳の方が使いやすいかもしれません。
紙通帳は銀行の伝統的なサービスであり、長年使い慣れてきた方も多いでしょう。
以下に、ITリテラシーや生活環境に応じて使い分けるための注意点を示します。
☆デジタル通帳を使う場合
- インターネットバンキングやスマートフォンアプリに慣れており、ログインなど問題なく操作できる。
- スマホやパソコンが故障した場合や通信環境がない場合、口座情報にアクセスする手段が制限されます。
- セキュリティに注意が必要であり、パスワードやセキュリティ機能の設定をしっかりと行う必要があります。
☆紙通帳を使う場合
- 銀行の窓口での手続きやATM手続きが主な方法です。
- 口座情報が紙で残るため、端末の故障やセキュリティに対する不安が少ないです。
- データの保管にスペースが必要であり、整理整頓に注意が必要です。
ITリテラシーや生活環境に合わせて、デジタル通帳と紙通帳を使い分けることも可能です。
例えば日常的にはデジタル通帳を利用し、口座情報の確認や取引をスマホで行う。
重要な取引や預金の記録は、紙通帳に記入するという方法もあります。
最後に、デジタル通帳と紙通帳を使い分ける際には、口座情報や個人情報のセキュリティには十分に注意し適切な対策を取ることが重要です。
自分にとって最適な通帳の選択をするためには、自身のITリテラシーや生活環境をよく考慮して銀行や金融機関のサービス内容を比較検討することをおすすめします。
5.銀行の紙通帳有料化の動向
近年、銀行の紙通帳の有料化が進んでいます。
紙の通帳を発行するためには、印刷費や管理コストの他に印紙税の負担もかかります。
この税負担は銀行業界全体で数百億円にも上ると言われており、銀行側には大きな負担になっています。
紙通帳の有料化により、銀行の窓口やATMでの通帳記帳の需要は減少傾向です。
三菱UFJ銀行では、2024年9月11日より一定期間以上記帳されていない紙通帳の利用を自動的に停止すると発表。
紙通帳のお取扱いの変更のお知らせ(三菱UFJ銀行HPより)| https://www.bk.mufg.jp/info/changing_handling_of_paper_passbooks/index.html
現在銀行では窓口業務の負担軽減が進められ、人件費などのコスト削減や効率化を図っています。
※紙通帳の有料化やデジタル通帳への移行については、各銀行の公式ウェブサイトや窓口で最新の情報を確認してください。
銀行の紙通帳有料化の動向を踏まえ、自身のライフスタイルや利便性を考慮して紙通帳とデジタル通帳を使い分けることが大切です。
各種手数料の変更も進む中、自身にとって通帳がどういう役割なのかを考えて自分に合った通帳の選択をしていきましょう。
筆者より
私も紙通帳を利用していましたが、ここ数年でデジタル通帳への移行を進めています。
しかしながら、紙通帳を見返した際の思い出があることも確かです。
将来的にはデジタル通帳への移行が広がる可能性が高いでしょう。
ライフスタイルに合わせて最適な通帳を柔軟に選択し、自分に合ったサービス活用してくださいね。